fromで取り扱うプロダクトの生産に携わる方々にものづくりの背景をお伺いする、from Magazine 作り手インタビューシリーズ。
高知のヒノキを主役に、ウッドチップやエッセンシャルオイルなどを開発・販売する、 SUNDAY MARKET(サンデーマーケット)の家竹佑輔さんへのインタビュー後編。今回は、Uターンして自分で事業を作り上げていく中での思い、日々の仕事についてお伺いします。
聞き手:yuki shinohara / megumi endo / yui sakida (from by nae Inc.)
前編は こちら から。
「まずは自分たちができる事からやっていく」楽しみながら、自分のビジネスをつくる
---ここからは家竹さんのお仕事についてもお伺いしたいんですけれど、高知から東京に出られて、Uターンしてビジネスを作ってくっていうところもなさっている。地方から出てきた人の憧れのライフスタイルの一つなのかなと思ったりしています。ご自身が普段どういうふうにお仕事して生活されてるか、伺っていきたいなと思っています。
---まず、1日の範囲でどんなふうな仕事の働き方をしているのかというところから教えていただけますか。
基本的には午前中にメールの確認、返信などを行い、午後から出荷がメインです。空いた時間で新商品の開発をしたり、お客さまとコンタクトをとって色々な情報収集をしたりしています。普通のサラリーマンのように「9-17時」というような細かい就業時間は決めておりません。
基本的にはカレンダー通りのお休みですが、なかなかそううまくはいかず(笑)ただ、休める時はしっかりとお休みをいただいております(笑)
---素敵なライフスタイルですね。
営業に行っていた時は月の半分ぐらいしか高知にいられなかったんですけど、コロナが流行って以降は色々とオンラインで済むようになったので、出荷作業がメインの業務になってきました。倉庫とかに業務を委託せずに全部自分たちでやっているので、出荷が重なったりするとめちゃくちゃ忙しくて、1日のほぼ大半が出荷作業ですね。
イメージとしては、午前中にメールの返信とか事務的なことをやって、昼から15〜16時ぐらいまでは出荷作業っていう感じですね。特に外箱がない分丁寧に梱包しないといけなかったりで、正直時間はかかってるのかな。
---営業がオンラインになった分、閑散期と繁忙期が読みやすくなりましたか?
そうですね。弊社の商品自体は通年使っていただけるんですけど、3〜4月の新生活の時期と、ゴールデンウィークやお盆休みの長期休み、帰省されている方に結構人気で、あとは11〜12月のギフトシーズンも忙しいですね。
---今の働き方を実現されるまでに色々試行錯誤されたかと思うんですけど、その部分をお聞きしてもいいですか。
自分たちができることからやっていくようにしています。
もちろんお金を出して外注するっていうのは一つの方法としてあると思うんですけど、正直僕たちはブランドとしてめちゃくちゃ売り上げを出したいわけではなくて。出せるに越したことはないんですけど、べらぼうには要らないんですよね。
仕事を増やす、取り引き先を増やす、売り上げを上げる、っていうことを目標にしてないので、自分たちでできないことはやらない。もちろん法制度の関係とかで絶対に人にお願いしないといけないことはありますが、それ以外は自分たちでできないことはやらないスタンスでいこうと思っています。
---一つの良い働き方の事例ですね。 どうしても求められると拡大して、人増やして、ってやってしまいがちですけど、自分の中で判断軸を作って決められているのも尊敬できるポイントだなと思いながらお伺いしてました。
---生産していて楽しいこととか、やりがいを一番感じるところはどこですか。
やっぱりお客さんから声をいただくのが嬉しいですね。弊社のInstagramアカウントをタグ付けしてくれて「前から気になってた商品を使ってみたらよかった」と言っていただけたりすることがあって、めちゃくちゃ嬉しいです。
あとはアロマプレートっていう商品があるんですけど、オイルを垂らして車のバックミラーにつける使い方を推奨していて。そうやって使ってくれている車とすれ違って、「うちの!」みたいなこともあるんですよね。そういうのを見ると、「よかったな」と思いますね。
---めちゃくちゃわかります。自分が作ったものを使ってくれてるのを見ると嬉しいですよね。
本当に。純粋にそこですね。多分こういうメーカーとか、特に僕らみたいに個人でやってるようなメーカーなんて、やりがいしか求めてないというか。この良さを伝えるためにどこまでできるかっていう。
SNSでお客さまから感想をいただいたり、先日ギフトショーに出店して雑誌のBEGINさんに気に入っていただいて5月に弊社の商品を載せていただけるんですけど、そういう反響をいただいたりとか、デザインを褒めていただけたりとか、それが単純に嬉しいですね。
---ハッシュタグ付けるときは #SUNDAYMARKET でいいですか?
はい。ただ、SUNDAY MARKETってなると本物の市場が出てきちゃうんですよ。
うちのSUNDAY MARKETっていう名前の由来も、高知の城下町で日曜日にやっている日曜市から来てるんです。地元の人だけでなく観光客の方もよくいらっしゃる市なんですけど、それにちなんで、高知県のいいものをブレンドしたりブラッシュアップすることで県外の方に知ってもらいたいという思いを込めて、SUNDAY MARKETという名前にしました。
ただその分ハッシュタグだと見つけづらいので、ブランドのアカウント(@sundaymarket.kochi)をタグ付けしてもらえると反応しやすいです。
ブランドを通して、環境問題や高知県の産業にも貢献したい
---先ほどご家族・ご自身が楽しめることを大切にされてるとおっしゃいましたが、今後目指していきたい姿などはありますか。
そうですね。元気に楽しく、生きていきたいですね。最近もコロナとか地震とか戦争とか、いろいろあってどうしても塞ぎがちになる方もいらっしゃると思うので、やっぱりとにかく元気が一番かな。
ブランドとしては、少しでも「高知=土佐ヒノキ」「高知=SUNDAY MARKET」っていうところを認知してもらえればいいなと思います。
うちのブランドとして出してる商品は、生活に絶対必要かっていうとそうじゃないものが多いんですね。もちろん保湿とかの効果はありますが、どちらかというと贅沢品というか、気持ちを上げるためのもの。そうした必需品じゃないものを気に入って買っていただいてリピートしていただけてるのはすごい嬉しいので、そういうお客さんを増やしたいです。
そして、それによって自然のことを感じてもらったり、環境問題について考えてもらったりしていただけたらなと。自分たちの取り組みで問題が解決することは多分ないと思うんですけど、深刻化するのをちょっとでも先に延ばしていければいいのかなって思います。
今、この先1日でも長く楽しく生きていくために何かしなきゃいけない、っていろいろ考えてる方はめちゃくちゃ多いと思うんです。アクションを起こすのも1人だけだと少ないですけど、でもそれが100人、1000人、10,000人と広がっていくと考えたら、そういうことをやるきっかけにSUNDAY MARKETがなれることもあるんじゃないか、なれたらいいなって。そう言ってくれるんだったらもう「商品タダであげるで」って言いたいくらいです(笑)
環境問題もそうですし、なかなか大変な時代じゃないですか。自分が生きている間に戦争が起こるなんて思ってもみなかったし、「漫画でしか見たことないけど」みたいなパンデミックが起きたり、地震も大丈夫かなとか。でも、だからこそ休まる時間も必要ですし、ひとときの安らぎになれたらとも思います。
---ありがとうございます。僕たちもウェルビーイングに関わる商品を取り扱いたい、開発したいと思ってfromというECサイトを立ち上げまして。まさに家竹さんがおっしゃってるような、世の中には必要ないかもしれないけどあることで日々をちょっとだけいい気分で過ごせる、といったことがあればいいなと思ってやっているので、すごく共感しました。
今日は貴重なお話をありがとうございました。
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